Verge3D
Verge3D(バージ3D)は、ウェブサイト上で動作するインタラクティブな3D体験を作成するためのリアルタイムレンダラーおよびツールキットである。
| 作者 | Yuri Kovelenov, Alexander Kovelenov |
|---|---|
| 開発元 | Soft8Soft |
| 初版 | 2017年11月22日[1] |
| 最新版 |
4.12
/ 2026年3月18日 |
| プログラミング 言語 | JavaScript、Python、GLSL |
| 対応OS | Windows、macOS、ChromeOS、Linux[2] |
| プラットフォーム | x86-64、Appleシリコン |
| サイズ | 145-153 MiB(バージョンにより異なる)[3] |
| 種別 | 3Dエンジン |
| ライセンス | トライアルウェア |
| 公式サイト | www.soft8soft.com |
Verge3D(バージ3D)は、ウェブサイト上で動作するインタラクティブな3D体験を作成するためのリアルタイムレンダラーおよびツールキットである。
概要
[編集]Verge3Dは、3Dモデリングツール(現在はBlender、3ds Max、Mayaに対応)で作成したコンテンツを、ウェブブラウザで閲覧可能な形式に変換する。Verge3Dは、以前にBlend4Webフレームワークを開発したのと同じコアエンジニアグループによって作成された。[4][5][6]
機能
[編集]Verge3DはレンダリングにWebGLを使用する。Three.jsライブラリのコンポーネントを組み込んでおり、アプリケーション開発者に対してそのAPIを公開している。[7]
- パズル(Puzzles)
- アプリケーションの機能はJavaScriptで追加可能で、直接コードを書くか、またはGoogleのBlocklyを基にしたVerge3Dのビジュアルプログラミング環境「Puzzles」を使用する。Puzzlesは主に非プログラマー向けに設計されており、ドラッグ・アンド・ドロップ方式でインタラクティブなシナリオを素早く作成できる。[8]
- App Managerとウェブ公開
- App Managerは、ローカル開発サーバー上で動作する軽量なウェブベースツールで、Verge3Dプロジェクトの作成・管理・公開を行う。[9] App Managerに統合されたVerge3D Networkサービスにより、Amazon S3やEC2などのクラウドサービスを使ってVerge3Dアプリケーションを公開できる。[要出典]
- PBR(物理ベースレンダリング)
- マテリアル作成には、glTF 2.0準拠の物理ベースレンダリングパイプラインが提供されており、標準的なシェーダベースのアプローチと併用可能である。[10][11] PBRテクスチャはSubstance Painterなどの外部テクスチャリングソフトウェアで作成でき、Verge3Dは対応するエクスポートプリセットを提供している。[12] glTF 2.0モデルのほか、3ds MaxおよびMayaの物理マテリアル(Autodesk Arnoldを基準)、BlenderのリアルタイムレンダリングエンジンEeveeのマテリアルにも対応している。[13]
- glTFとDCCソフトウェアの統合
- Verge3DはBlender、3ds Max、Mayaと直接統合されており、3Dジオメトリ・マテリアル・アニメーションをこれらのソフトウェア内で作成した後、JSONベースのglTF形式でエクスポートできる。Sneak Peek機能により、DCCツールの環境から直接シーンをエクスポートして閲覧可能である。[14][15]
- UIとウェブサイトのレイアウト
- 外部のWYSIWYGエディタで作成したインターフェースレイアウトをPuzzlesと連携させ、ブラウザでレンダリング中の3Dシーンを変更したり、その逆も可能である。[17][18]
- アニメーション
- スケルタルアニメーション(二足歩行やキャラクターリグのアニメーションを含む)をサポートし、マテリアルパラメータのアニメーションも可能。モデル部位をユーザーがドラッグできるように設定できる。[19][20]
- 物理演算
- 物理演算モジュールを別途リンクすることで、衝突検出、動的オブジェクトの移動、キャラクター・車両のサポート、バネ・ロープ・布のシミュレーションが可能になる。[21][22] バージョン2.11以降は、Puzzles(ビジュアルプログラミングシステム)を使ってコードを書かずに簡単な物理シミュレーションを作成・制御できる。[23]
- AR/VR
- バージョン2.10でWebXR対応が追加された。これはウェブブラウザ上でバーチャルリアリティ(VR)や拡張現実(AR)体験を表示するための開発中のオープン技術である。HTC ViveやOculus Riftのようなコントローラー付きヘッドセット、およびGoogle Cardboardのようなコントローラーなしのデバイスに対応する。AR/VR体験はPuzzlesまたはJavaScriptで有効化できる。[24]
ワークフロー
[編集]Verge3Dのワークフローは、他の主流のWebGLフレームワークとは大きく異なる。新規Verge3Dアプリケーションの開発は、通常3Dオブジェクトのモデリング・テクスチャリング・アニメーションから始まる。これらのモデルを3Dオーサリングツール内で組み立て、シーンファイルをApp Managerから初期化されたVerge3Dプロジェクトの基盤とする。インタラクティブなシナリオはPuzzlesエディタで任意に追加する。開発のどの段階でも、App Managerを使ってウェブブラウザでVerge3Dアプリケーションをプレビューできる。完成したウェブアプリケーションは、Verge3D Network、Facebook、またはユーザーのウェブサイトにデプロイ可能である。[25]
主な使用事例
[編集]NASAのジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)は、火星探査機InSightランダーのインタラクティブな3D可視化を作成するためにVerge3Dを使用した。[26] このウェブアプリケーションでは、宇宙船のリアルタイムモデルを探索・操作でき、さまざまな部品を動かしたり太陽電池パネルを展開したりできる。
NASAの古いインタラクティブウェブアプリケーション「Experience Curiosity」は、Blend4WebからVerge3Dへ移植された。このアプリケーションでは、ローバーの操作、カメラやロボットアームの制御、Mars Science Laboratoryミッションの主要イベントの再現が可能である。[27][28]
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ “Verge3D 1.0 Released!”. soft8soft.com (2017年11月22日). 2026年4月15日閲覧。
- ^ “Verge3D Features — Soft8Soft”. soft8soft.com. 2026年4月15日閲覧。
- ^ “Verge3D for Blender / 3ds Max / Maya 製品ダウンロードページ”. soft8soft.com. 2026年4月15日閲覧。
- ^ “Interactive 3D Web Content Comes to 3ds Max”. engineering.com. 2020年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月21日閲覧。
- ^ “Soft8Soft releases Verge3D”. CG Channel. 2017年12月5日閲覧。
- ^ “Раскол среди разработчиков проекта Blend4Web привёл к созданию нового WebGL-движка”. OpenNews. 2017年10月10日閲覧。
- ^ “Verge3D, solution de création d'applications web 3D interactives”. 3DVF (2017年11月29日). 2017年11月29日閲覧。
- ^ “Verge3D released”. CGPress (2017年11月24日). 2017年11月24日閲覧。
- ^ “Verge3D Launches”. 3dxmedia. 2018年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月22日閲覧。
- ^ “Verge3D 1.0. Il nuovo framework 3D WebGL per Blender”. Treddi.com. 2019年11月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月22日閲覧。
- ^ “VERGE3D 1.0发布!”. BlenderCN.org. 2017年11月22日閲覧。
- ^ “Verge3D 2.3 Blender版发布”. BlenderCN.org (2018年4月22日). 2018年4月22日閲覧。
- ^ “Soft8Soft ships Verge3D 4.0”. CG Channel. 2023年2月20日閲覧。
- ^ “Verge3D for 3DS Max released”. CGPress (2018年2月8日). 2018年2月9日閲覧。
- ^ “Soft8Soft Releases Verge3D for Autodesk 3ds Max”. TenLinks (2018年2月12日). 2021年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月12日閲覧。
- ^ “verge3d场景数据压缩”. zjbcool.com. 2018年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月3日閲覧。
- ^ “Soft8Soft releases Verge3D 2.3 for 3ds Max”. CG Channel. 2018年4月17日閲覧。
- ^ “Megjelent a Verge3D 2.3 for 3ds Max”. MeshMag (2018年4月20日). 2018年5月20日閲覧。
- ^ “Verge3D 2.5 is Out!”. 80 Level (2018年7月24日). 2018年7月24日閲覧。
- ^ “Soft8Soft ships Verge3D 2.5 for 3ds Max and Blender”. CG Channel. 2018年7月24日閲覧。
- ^ “Verge3D 2.4 for 3ds Max is out”. Evermotion. 2018年6月6日閲覧。
- ^ “Soft8Soft ships Verge3D 2.4 for 3ds Max and Blender”. CG Channel. 2018年6月7日閲覧。
- ^ “Soft8Soft releases Verge3D 2.11 for 3ds Max and Blender”. CG Channel. 2019年3月12日閲覧。
- ^ “Soft8Soft releases Verge3D 2.10 for 3ds Max and Blender”. CG Channel. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “Soft8Soft Releases Verge3D v2.3 for Blender”. Daily CADCAM. 2018年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月7日閲覧。
- ^ “MARS InSight Mission - InSight Lander”. NASA. 2018年10月31日閲覧。
- ^ “Prenez le controle de Curiosity avec Blend4Web”. Greg G.d.Bénicourt. 2015年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月16日閲覧。
- ^ “Internet 3D: Take the Curiosity Rover for a Spin Right on the NASA Website”. Technology.Org (2015年8月11日). 2015年8月12日閲覧。