Tectoy

Tectoy(テックトイ)は、家庭用ゲーム機・ソフトの開発・製造・販売などを行うブラジルのゲームメーカー。2007年まではTec toyと名乗っていた。本社はサンパウロにある。
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| 種類 | S.A. |
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| 略称 | Tectoy |
| 本社所在地 |
サンパウロ州、サンパウロ、コンソラサオ Fernando de Albuquerque通り、 155番、6F、01309-030 |
| 設立 | 1987年9月18日 |
| 事業内容 | 家庭用ゲーム機、通信機器、電子機器 |
| 外部リンク | テックトイ |
Tectoy(テックトイ)は、家庭用ゲーム機・ソフトの開発・製造・販売などを行うブラジルのゲームメーカー。2007年まではTec toyと名乗っていた。本社はサンパウロにある。

概要
[編集]ブラジルにおけるセガのゲーム機の公式代理店(ライセンシー)であり、マスターシステム・メガドライブ・ゲームギアの世代で大成功を収めた。マスターシステムからドリームキャストまでのセガのゲーム機を販売した後、2009年からはTectoyが中心となって設立した関連会社であるZeebo社が開発した独自ハードのZeeboを製造・販売していた。2000年代以降も、高価な次世代機を買えないブラジルの低所得層において旧世代のマスターシステム互換機やメガドライブ互換機が売れており、2010年代以降はレトロゲームのファン向けにも売れている。なお、2000年代後半ごろより製造のマスターシステム互換機やメガドライブ互換機はカートリッジスロットが廃止され、ゲームは内部メモリに直接書き込まれている。
Tectoyの働きによってセガはブラジル市場でライバルの任天堂を圧倒した。ブラジルで販売されたマスターシステムとメガドライブはTectoyがブラジル国内で製造していたため、高額な関税が課せられなかった。任天堂は1993年までブラジルに代理店を設けておらず、正式なNESが存在しない一方で大量の海賊版NES互換機とファミコン互換機が存在したが、海賊版メーカーの乱立によるファミコン規格とNES規格の混在、品質の良し悪し、海外から輸入した正規のファミコン/NESは高額な関税がかけられるなど混迷を極めていたため、Tectoyの製造したマスターシステムは正規品の品質・開発力・宣伝力によってそれらを圧倒して大成功を収め、1990年代中盤のTectoyはブラジル市場で80%の高い占有率を誇った[1]。任天堂は1993年より現地NES互換機最大手の「ファントム」を販売していたグラジエンテをライセンシーとしてゲーム機を販売したが、既にブラジル国内で定着したセガの市場を切り崩すことができなかった。
Tectoyは『ファンタシースター』初期三部作や『シャイニング&ザ・ダクネス』『Riven』などの名作ゲームをポルトガル語に翻訳してリリースしたが、いくつかのソフトはただ翻訳するのみならず、「テディーボーイ・ブルース」のテディボーイをGeraldinho of Glaucoとしたり、「モンスターワールド」を「Monica's Gang」としたり、「ゴーストハウス」の主人公をEl Chapulín Coloradoとするなど、キャラのリプレイスを含む大胆なローカライズを行った。Tectoyはさらに、マスターシステム版『ストリートファイターII』やメガドライブ版『Duke Nukem 3D』など、ブラジルでしか移植されていないゲームをもいくつもリリースしている。さらに、メガドライブ/マスターシステム用ソフト『Woody Woodpecker』など、Tectoyオリジナルのゲームをも開発している。途上国ではゲーム機の代理店となってもゲームの独自開発どころかローカライズすらできずに日本語版や英語版をそのまま再リリースするだけの代理店も多かった中、Tectoyの開発力は異例であった。
ゲームの他に、Tectoyの有名なおもちゃとしてはPense Bem(ポルトガル語で「よく考える」)がある。Pense Bem対応ソフト(地理や歴史などをテーマとした、ソニックやドナルド・ダックと言った人気キャラクターが描かれた絵本の形態を取る)を使い、本の質問に対応する答えをPense Bemに入力するとPense Bemが「はい」か「いいえ」で返答すると言う、キッズコンピュータ・ピコよりも原始的な知育玩具である。Pense Bemをテーマとしたゲームはメガドライブ互換機のSuper Mega Drive 3にも内蔵されている。
歴史
[編集]1987年、元シャープブラジル支社の副社長であったダニエル・ダズカルによって、当時のブラジルではまだ未開拓の市場であった電子玩具を製造する企業として設立された。税制優遇措置を活用するため、マナウス自由貿易地区に工場を設立した。設立後すぐに日本のビデオゲーム大手であるセガと独占契約を結び、その代理店となった。Tectoyの最初の製品はジリオンの光線銃であり、日本より多く売り上げた。セガは米国におけるマスターシステムの展開に際し、米国現地玩具会社のトンカ社と代理店契約を結んで失敗した経験から、ブラジルにおけるテックトイとの契約に消極的だったが、テックトイはこれでセガとの信頼関係を築いた。
1989年9月、マスターシステムを発売。200万ドルをかけた宣伝攻勢の結果、大成功をおさめ、1990年末までに販売台数は28万台に達した。1990年12月、マスターシステムを発売。1991年8月、ブラジル発の携帯ゲーム機であるゲームギアを発売。それぞれ大成功を収めた。
1994年5月、創業者のダズカルが死去。この年をピークに年々業績が悪化する。1995年8月にセガサターンを発売するが、1997年12月に破綻し、事業再生手続きを開始する。マナウスの工場は縮小され、従業員を1000人から110人に削減した。それでも1999年9月にはドリームキャストを発売している。
2000年10月、事業再生完了。事業をゲームと玩具以外に広げた「エンターテイメント企業」となることを宣言。メガドライブの販売はまだ好調で、既に120万台のメガドライブを販売していたが、この年はテレビ番組とのタイアップでさらに売り上げを伸ばし、10万台売れた。DVDプレーヤーやカラオケマシンなど、通年販売の見込める製品に進出したが、あまり成功しなかった。
2007年、社名を「Tec toy」から「Tectoy」に改め、ビデオゲーム、DVD、デジタルテレビ、玩具の4つの事業に注力することを宣言した。「Tec Toy Mobile」を設立し、MMORPGの「ラグナロクオンライン」のサービスを開始。ほか、(薄型テレビが主流となりつつあるこの時期にあえてブラウン管の)ゲーム内蔵型テレビ、ブルーレイプレーヤーなどを製造・販売したが、いずれも失敗した。
2008年にクアルコムと提携し、2009年5月、ゲーム機のZeeboを発売。価格は299レアルで、同年にブラジルで799 レアルで発売されたPlayStation 2よりも大きく安かった。60万台の販売を予想したところ、3万台しか売れず、2011年に事業を終了した。
2013年にタブレットを発売。2012年よりディズニーと提携し、「ディズニーマジックタブレット」を発売したほか、ディズニーキャラクター家電なども販売した。タブレット事業は2013年度に限っては大きな利益を得たが、すぐに終了した。また、税制優遇措置が受けられるマナウスの工場を韓国Humax社に貸し出して利益を得たが、2013年に終了した。
事業の失敗により、株価は低迷。2015年、ペニー株に対するサンパウロ証券・商品・先物取引所の措置を受け、株式が統合された。
ついに同社はメガドライブをはじめとするレトロゲーム事業に注力することになった。2017年、Atari 2600にゲームを内蔵したプラグ&プレイ型ゲーム機版である「Atari Flashback 7」を発売。ゲーム内蔵型のメガドライブやマスターシステムなども発売し、レトロゲームブームに乗じて売り上げを伸ばした。
製品一覧
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マスターシステム3
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マスターシステムガール
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メガドライブ・ポータブル
- セガからのライセンス製品
- Master System (1988年)
- マスターシステム3
- Mega Drive (1989年)
- SEGA CD(1993年)
- Multi Mega CDX(1994年)
- Mega 32X(1994年)
- メガドライブ・ポータブル
- メガドライブ4
- Game Gear (1991年)
- Sega Saturn (1995年)
- Dreamcast (1999年)
- Master System (1988年)
- Zeebo (2009年)
脚注
[編集]- ^ なぜセガは任天堂をブラジルのゲーム機市場で圧倒できたのか?Gigazine 2015年7月30日